October 07, 2013

吉浦康裕×太田優姫 『イヴの時間』 全3巻

イヴの時間(3)(完) (ヤングガンガンコミックス)
吉浦 康裕
スクウェア・エニックス
2012-04-25

限りなく人間に近い容姿を持ったアンドロイドが家電として浸透している未来。
カフェ”イヴの時間”でのルールは、人間とアンドロイドを区別してはいけないというもの。
不思議な場所で関わり合う、人とアンドロイド、両者の心を描いた作品。
嬉しいと思ったのは本当なんでしょう?
なら その気持ちを大切にしなきゃ
自分が嬉しいと思ったって事を伝えれば 相手も嬉しいハズよ
リクオ君が感じたその「嬉しい」を その人にも返してあげたらいいんじゃないかな

人が人を思いやるということを、人と人との関係性の中で描くとしたら、
ドラマ性や小説のような演出が必要になってくる。
人とロボットの間でならどうだろう。そこにもやはり同じようなものが当然あるだろう。

ならば人と、人間型ロボット、とならどうだろう。


相手のことを思いやることはどうも難しい。
少しずつ、確かめるように、探りながら近づいていく。怯えながらも、少しずつ。
本当に相手の為になっているのか、喜んでもらえているのか。

相手が”人の形をした機械”であることが
そうした人として当たり前の不安をより明らかなものとして描き出す。
『イヴの時間』に登場するアンドロイド達を本当の人として、違う視点から見る時、
この物語に込められた本質的な心の在り様を見つけられるような気がする。


vespertide at 13:19│Comments(0)TrackBack(0)  

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